もともと、比叡山延暦寺では、ビタミン、ミネラル、タンパク質を豊富に含んだそばが重宝されておりました。
そのような背景の中、延暦寺の厨房担当だった当代鶴屋喜八が坂本に「手打蕎麦鶴㐂」を創業して以来300年以上に渡り、伝統の手打蕎麦を九代目まで引き継いでまいりました。
現在の建物は1887年築の入母屋造で、平成9年5月23日、国の登録有形文化財にも指定されております。
所在地:滋賀県大津市坂本4-11-40
電話番号:077-578-0002
※10:00~17:00(12:00~14:00はご遠慮願います)
※土産のご注文はネットショップでお願い致します。
営業時間:11:00~16:00 ※時期によりL.O.14:30
離れ個室(有料)のご利用 11:30~15:00
定休日:元日、毎月最終月曜日(4月と12月は第4月曜日、8月は最終月火連休、11月は無休)
駐車場:第1駐車場8台。第2駐車場16台 無料 ※普通乗用車のみ
※誠に申し訳ございませんが、売切れ次第 閉店となります。
また、天候不順の際、早じまいすることがございます。
アクセス
■京阪石坂線 坂本比叡山口駅下車1分
■JR湖西線 比叡山坂本駅下車10分
坂本4丁目交差点より南へ2軒目
手打蕎麦鶴㐂の中庭は、滋賀・近江の象徴である比叡山と琵琶湖を模した築山枯山水です。
お座敷からの庭景は、築山と石組で比叡山の雄大さや神秘さ、行の厳しさを表現し、一面に敷き詰められた苔は豊かな緑を、また景石に架かるツツジ類を雲と見立てました。そして白砂は琵琶湖を表し、そこに架けた石の桟橋は坂本特有の覗き石です。その上に立つと、庭園が一望できる特別な場所でもあります。中心には、創業当時から据えられていた平安時代の春日燈籠が残されております。京都白川産のその燈籠はもともと素材が柔らかく、長年雨水にさらされて笠石がその役を失ってしまいました。その為、新たに蓑笠をあしらうことで風化を防ぎつつ、里山への慕念を感じられる形としました。また、その左奥にある折鶴を模した景石を本家鶴喜そばと位置付け、「折鶴石」と銘打ちました。
庭のあちこちに四季の移ろいを感じられる花々や紅葉の他に、縁起の物として草木を植えてあります。この庭園は周囲から見渡せるよう回遊式になっており、山々と湖を様々な角度から、楽しんでいただけるよう心掛けました。そして、この庭を、シンボルとなる折鶴石から【折鶴の庭】と名付けました。
手打蕎麦鶴㐂の前庭は、蕎麦打ちをイメージした石庭です。
井の字に組まれた井筒の真上には、織部焼の滑車を備え、比叡山からの清涼な水を汲み上げる様を表しています。中央にある飾り挽臼の周辺にまいた那智黒や割栗石(わりぐりいし)は実蕎麦を連想しました。
入口近くには、江戸時代中期に考案されたといわれる水琴窟がございました。
(現在は地中にある瓶の損傷により水琴窟として利用しておりません)
挽臼から溢れる水は蕎麦打ちに使われる豊富な水を連想させ、溢れ出た水はかつて鬼瓦の一部だった字紋を伝って、地中に埋め込まれた大きな信楽焼の甕の中へと流れてゆきました。かつては竹筒を水蓋(地紋瓦)に近づけて耳を澄ませると風流な音色を楽しめました。